シニア・シングル層のためのペットの飼い方講座

終生飼養を考える ~老犬ホームという選択肢~講座開催報告

近年、日本は超高齢化社会が進む中、獣医療の進歩やフードの改良、ワクチンの進歩などが進み、ペットの寿命もここ20年でおよそ2倍となりました。ペットの寿命が延び、愛犬・愛猫と一緒にいられる時間が増えたということは飼い主にとって大変喜ばしいことです。

ただ寿命が延びた分シニア期が長くなり、健康寿命を延ばすためにも、若年の段階からペットをどう管理してゆくかが大変重要になります。

そしてこれからの2.3年、ちょうど2003年・2004年頃のペットブームに飼われた犬たちが平均寿命を迎え、ペットの介護にちょうどぶつかる時期でもあります。

この流れの中、特に高齢者によるペットの引き取りやネグレクトの問題が問題視されています。

そこで今回、万一終生飼養が出来なくなった場合の受け皿のひとつとして老犬(老猫)ホームに注目し、現場側から見た終生飼養のあり方や介護の現実についてNPO法人東京ペットホームさんをゲストにお迎えしお話いただきました。

また私の方からは、万が一終生飼養が出来なくなった場合に備え、飼い主が事前にできる「自助努力」として、普段からの躾や美容、ならなくてもいい病気にさせない健康管理の徹底を含め、いざという時「貰ってもらえる子」にしておくことの重要性を具体例を挙げながらお話させていただきました。

今回シニア層向けに準備を進めてまいりましたが、実際ご参加いただきました方々の職業・年齢層は30代・40代のお若い方が多く、職業も高齢者福祉施設従事者、動物ボランティア、ペットの法務従事者、同業者、ペットビジネスを考案中の企業社員様など、当事者というより当事者を取り囲む関係者が多かったことに驚きもありました。一般の飼い主様方も大変意識の高い方が多く、ご自分の万一の場合に備えるため勉強したいという方ばかりでした。

今回のテーマは高齢者向けと題打ちましたが、自身も含め実はどの世代にも起こりうる問題です。飼い主の突然の病気や事故による死亡、失業などの経済的問題など、ある日突然起こりうる問題で「他人事ではない」といえます。

今回、終生飼養が出来なくなった場合の受け皿のひとつとして老犬ホームにスポットをあてましたが、同時に着目したいのが、万一飼い主が亡くなった場合、施設への委託金の支払いにペットの民事信託を利用した場合のメリットデメリットについてです。

老犬ホームもペットの民事信託もここ数年始まった取り組みですが、飼育の対価とはいえ、大きなお金が動く以上、予備知識としての考察は必要と考えます。また金銭の授受を伴う個人間のペットの譲渡にも様々な問題が考えられます。

時期は未定ですが、次回専門家の監修の下、遺言書による負担付死因贈与や負担付遺贈、飼育費を管理するための合同会社の設立なども含め、「ペットの民事信託」について考える場を用意しようと考えております。

最後に、ある試算では、ペットブームで飼われた犬が寿命を迎え東京オリンピック開催の2020年以降、犬の飼育頭数が30%減、2025年には半数に減るのではと言われております。ということは我々ペット業界も競争となり、準じてホームの崩壊も懸念されるところであります。この流れからみて、ここ数年が我々業界のひとつの山であり転換期になると思います。

ともあれ、これからも未来も、人間と共存するであろうペットたち。幸せで最期まで暮らせるには何をすればいいか、今後も考え続けてゆきたいと思います。

 

このたびは、ご来場者の皆さま、講師の皆さま、ご来場・ご協力有難うございました。

どうぞ、これからもペットとの健やかな生活をお過ごしください。

 

                          2017年2月6日 ペットシッターコロちゃんち 代表 吉 敬子 

会場  高円寺庚申文化会館        玄関の案内板     セミナーの様子1     セミナーの様子2             東京ペットホーム様


 セミナー後の昼食会   参加者様同士の交流 ☆参加費から講師陣へのペットのアロマケア用品のプレゼントと昼食のご提供をさせて戴きました。